特定子会社
Specified Subsidiary
基本定義
特定子会社とは、企業内容等の開示に関する内閣府令(開示府令)第19条第10項に定められた子会社の分類で、提出会社との取引関係または財務上の重要性から、有価証券報告書等において「関係会社の状況」に個別開示が求められる子会社を指す。
該当要件
以下のいずれかに該当する子会社が「特定子会社」となる。3つの要件は独立しており、1つでも該当すれば特定子会社に分類される。
判定基準の概要
| 根拠法令 | 企業内容等の開示に関する内閣府令 第19条第10項 |
|---|---|
| 売上高・仕入高 | 提出会社との取引が10%以上 |
| 純資産額 | 提出会社の純資産額の30%以上 |
| 資本金 | 提出会社の資本金の10%以上 |
| 判定時点 | 最近事業年度末日 |
開示が必要な書類
特定子会社を保有する会社は、以下の書類において「関係会社の状況」に特定子会社の情報を開示する必要がある。
Ⅰの部
新規上場申請時に提出。関係会社の状況欄に特定子会社である旨を記載。
有価証券届出書
募集・売出し時に提出。第2号の4様式に基づき記載。
有価証券報告書
上場後毎年提出。第3号様式に基づき継続開示。
特定子会社の異動時の開示
特定子会社の異動(特定子会社であった会社が子会社でなくなること、または特定子会社でなかった会社が特定子会社になること)が決定または発生した場合、臨時報告書の提出が必要となる。
また、決算短信においても、連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動の有無を開示する必要がある。
関連用語との違い
特定子会社
開示府令に基づく概念。提出会社との取引関係(売上・仕入10%以上)または財務上の重要性(純資産30%以上、資本金10%以上)により判定。有価証券報告書等での個別開示が必要。
記載すべき子会社
Ⅱの部記載要領に基づく概念。申請会社に対する影響度20%以上(総資産・純資産・売上高・利益のいずれか)で判定。Ⅱの部での詳細記載が必要。
実務上のポイント
- 売上高・仕入高基準は、グループ内取引の重要性を示す指標であり、製造子会社や販売子会社が該当しやすい
- 純資産基準は、提出会社が債務超過の場合は適用されない点に注意
- 資本金基準は、子会社の増資や提出会社の減資により該当・非該当が変動する可能性がある
- 特定子会社の異動があった場合は、臨時報告書の提出期限(異動決定後または異動後遅滞なく)に注意
- M&Aや組織再編を行う際は、特定子会社の該当性判定と開示義務の発生時期を事前に確認する
「特定子会社」は金融商品取引法に基づく開示制度上の概念であり、会社法上の「特別支配会社」や連結会計上の「重要な子会社」とは異なる概念である。それぞれ判定基準や開示要件が異なるため、混同しないよう注意が必要。
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