国内オファリングとは、IPO時における株式の募集・売出しを日本国内の投資家のみを対象として行う形態。和文目論見書のみで対応可能であり、3つのオファリングフォーマットの中で最も標準的かつ手続き・コストの負担が軽い方式である。

概要

対象投資家 国内投資家のみ(機関投資家・個人投資家)
開示書類 和文目論見書、有価証券届出書
準拠規制 金融商品取引法
英文書類 不要
追加コスト なし(標準的なIPOコストのみ)

メリット・デメリット

メリット
  • 手続きがシンプルで準備期間が短い
  • 英文書類作成が不要でコストを抑制できる
  • 海外対応の追加リソースが不要
  • 国内の規制対応のみで完結する
デメリット
  • 海外投資家からの需要を取り込めない
  • 大型案件では国内需要だけでは不足する可能性
  • グローバルな知名度向上の機会を逃す

他のオファリング形態との比較

項目 国内オファリング 旧臨時報告書方式 グローバルオファリング
対象投資家 国内投資家のみ 国内+海外(北米除く) 全世界(米国含む)
主な開示書類 和文目論見書 和文目論見書 和文+英文目論見書
英文目論見書 不要 不要 必要
追加コスト なし 低~中程度 高(3~4億円程度)
適したケース 小~中規模案件 中規模・海外需要も取り込みたい場合 大型案件(300億円超目安)

実務上のポイント

  • 国内の機関投資家・個人投資家で十分な需要が見込める場合に選択される
  • オファリングサイズが比較的小さい案件や、事業が国内中心の企業に適している
  • 海外投資家へのアクセスが不要であれば、コスト・工数の観点から最も効率的な選択となる
  • 将来的に海外展開を見据える場合でも、初回IPOは国内オファリングとし、上場後のPOで海外オファリングを検討するケースもある
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執筆者

石塚 康一

Koichi Ishizuka

株式会社プライムコンサルティング 代表取締役/公認会計士

北海道大学農学部を卒業後、監査法人トーマツ 旧トータルサービス事業部入所。IPO監査に一貫して従事し、その後、野村證券投資銀行部門へ転職。公開引受部・法人営業部門にて、IPOアドバイザリーや、IPO準備企業の発掘、オファリングの支援等を行う。2024年、株式会社プライムコンサルティングを創業し、独立した立場からIPOの伴走を行う。

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