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【IPO準備実務】IPOにおけるバリュエーションはどう決まるのか

【IPO準備実務】IPOにおけるバリュエーションはどう決まるのか

IPOの株価は、想定発行価格・仮条件・公開価格という3段階を経て決まり、企業価値評価の理論が直接効くのは最初の想定発行価格の段階です。実務の基本形は類似会社比較法(PERマルチプル)であり、更に公正取引委員会の実態把握では、証券会社の90.9%がIPOディスカウントを実施し、その水準は20%以上30%未満との回答が最多だったとされています。もっとも「類似会社のPER × 予想当期純利益 × (1−ディスカウント率)」という算出構造のうち、倍率は市場が、ディスカウント率は実質的に主幹事が決めるため、発行会社が主張できるのは類似会社及び予想当期純利益だけです。SaaSではPSR・EV/Revenue、創薬バイオではDCF・rNPVが用いられますが、手法の選択はいずれも「将来利益の割引」の裏返しにすぎません。未上場ラウンドはVCレート等を割引率とするDCF法が主流とされ、時にIPO時のPER評価との間に「評価軸の断絶」が生じます。本記事では、IPOにおけるバリュエーションの決定方法を理解しておくことにより、正しい資本政策に導きます。

2026年7月12日 IPO準備実務
「記述情報の開示の好事例集2025」最終版が公表

「記述情報の開示の好事例集2025」最終版が公表

金融庁は2026年3月27日、「記述情報の開示の好事例集2025」の最終版を公表しました。2025年12月のサステナビリティ情報編に、MD&A・事業等のリスク・重要な契約・コーポレートガバナンス等の開示例を加えた二部構成で、有報の記述情報全般をほぼ網羅したとされています。好事例集は義務ではなく、当局と投資家が有用と見る開示水準を実例で示す資料と位置づけられます。共通の期待として、有報と任意開示の役割分担、将来情報を支える開示プロセスの整備と第三者チェック、AI分析を意識した機械可読性が挙げられています。SSBJ基準が2027年3月期からプライム大企業を対象に段階適用される流れのなかで、IPO準備企業にとっても、Ⅰの部の記述情報が上場後の有報に引き継がれる構造を踏まえ、自社固有の記載・開示体制づくりを上場準備に織り込む意義があると整理しています。

2026年7月8日 IPO準備実務
有報の「大株主の状況」に並ぶ信託口・カストディアンとは?仕組みをわかりやすく解説

有報の「大株主の状況」に並ぶ信託口・カストディアンとは?仕組みをわかりやすく解説

有価証券報告書の「大株主の状況」に並ぶ「日本マスタートラスト信託銀行(信託口)」「日本カストディ銀行(信託口)」やカストディアンの正体を解説。信託の基本構造、資産管理専門銀行の設立経緯、法的な委託義務の背景、2行への集約とその集中リスクまで、制度的背景からわかりやすく説明します。

2026年2月17日 IPO準備実務