SaaSバブル期のPSR10x,20xはどこへ行ったのか ― 売上マルチプルの基礎と水準の変化
この記事でわかること
- SmartHRが年内に目指していた東証上場を見送ったと報じられた経緯と、その背景にある目標時価総額と投資家評価のギャップ
- SaaS企業がPER(利益倍率)ではなくPSR(売上倍率)で評価される理由と、PSR・EV/Revenue・NTM・Rule of 40といった基礎指標の読み方
- 2020〜2021年のSaaSバブル期にPSR10倍超・20倍超が並んだ相場から、2024〜2026年に上場SaaS28社平均4.4倍へ収れんするまでの水準変化
- 「PSR5倍前後」を前提にしたときにグロース市場での上場に必要なARR規模と、IPO準備企業がバリュエーション設計で押さえるべき論点
1. 何が起きたのか ― SmartHRの上場延期報道
2026年7月8日、人事労務クラウドを手掛けるSmartHRが、年内に目指していた東京証券取引所への上場を来年以降に延期する方針だと報じられました。理由は、同社が目標としていた時価総額を投資家が高すぎると評価し、目線が一致しなかったためとされています。目標時価総額は約10億ドル(報道ベースで1,600億円程度)で、主幹事候補として大和証券グループ本社、ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーの名前が挙がっていると報じられています。上場時期や評価額といった詳細は、AIの進展がSaaS業界に与える影響への投資家の懸念を背景に、なお変わり得るとされています。

参考: Bloomberg「スマートHRが年内の東証上場見送りへ、時価総額評価に隔たり-関係者」(2026年7月8日) https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-07-08/THQEZ4T96OSI00
この延期は、業績不振によるものではありません。延期報道の前日にあたる7月7日、SmartHRは月次ARR(年間経常収益)が2026年7月に300億円へ到達したと公表しています。給与計算と従業員ポータルの2領域が伸び、2030年に売上高1,000億円という目標を掲げているとしています。純粋なサブスクリプション売上で300億円という規模は、国内の業務システム市場でも相応の水準です。
参考: クラウド Watch「SmartHRがARR300億円に到達、2026年度は2種類のAIエージェントと人事データ×AIを推進」(2026年7月8日) https://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/2123332.html
見落とせないのは、今回の目標1,600億円が、直近の未上場ラウンドの評価額を下回る水準だという点です。SmartHRは2024年7月に総額214億円を調達するシリーズEを実施しており、その際の評価額は約1,800億円とされています(シリーズDからほぼ横ばいと報じられています)。つまり、目標時価総額はすでに前回ラウンドを下回る、いわゆるダウンラウンドに近い水準でした。それでもなお公開市場の投資家からは高いと見られた、というのが今回の報道の要点です。
ARR300億円到達という好調な数字を出し、前回ラウンドを下回る評価を提示してもなお折り合わなかった背景には、SaaS企業のバリュエーション水準そのものが、この数年で大きく切り下がってきたという事情があります。
2. なぜSaaSはPSRで評価されるのか ― IPOバリュエーションの基礎
話を「SmartHRの評価が高いのか低いのか」に進める前に、そもそもIPO時のバリュエーションがどう決まるのかを整理しておきます。
新規上場時の想定価格は、主幹事証券が通常の起業は類似会社比較法(マルチプル法)とバイオや宇宙産業などの研究開発型企業はDCF法(割引キャッシュフロー法)を利用して算定するのが一般的です。このうちマルチプル法で使う指標が、業種によって分かれます。利益が安定して出ている会社であればPER(株価収益率=時価総額÷純利益)が使われますが、新興のSaaS企業は先行投資で赤字が続くことが多く、PERが計算できない、あるいは意味を持ちません。そこで、売上高を基準にしたPSR(株価売上高倍率=時価総額÷年間売上高)が中心指標になります。赤字でも算出できること、そしてサブスクリプションの積み上がりで将来の黒字化が予測しやすいことが、売上ベースで評価される理由です。
2-1. PSR・EV/Revenue・NTMの読み方
厳密にいえば、本来の指標は時価総額ではなく企業価値(EV=時価総額+ネット有利子負債)を分子に置くEV/Revenue(企業価値÷売上高)です。日本のVC・スタートアップ界隈で使われるPSRは、便宜的に時価総額を分子に代用した簡易版という位置づけになります。証券会社の比較表ではEV/売上高が使われることが多く、両者は厳密には別物である点は押さえておく必要があります。
分母の売上高も、直近実績(過去12か月)を使うか、今後12か月の予想(NTM=Next Twelve Months)を使うかで数字が変わります。高成長企業ではNTMベースが使われることが多く、成長率が高い会社ほど適用されるマルチプル自体も高くなる傾向があるため、予想売上とマルチプルの両方が上振れし、バリュエーションが二重に膨らみやすい構造があります。ARRマルチプル(時価総額÷ARR)も、この売上マルチプルの一種です。
PSRの水準感をつかむには、利益倍率に引き直してみるのが早道です。純利益率10%のビジネスモデルでPSRが10倍なら、PER換算では100倍に相当します。つまり10倍のPSRは、100倍のPERに匹敵するほどの将来の成長と利益化を先取りした数字だといえます。PSR20倍を超えると一般には割高とされるのは、この先取りの度合いが大きいためです。
2-2. マルチプルを決める要素
売上マルチプルの高低を左右するのは、第一に売上成長率です。加えて、成長率と利益率の合計が40%を超えているかを見る「Rule of 40(40%ルール)」が、SaaS投資の目安として広く使われてきました。売上が伸びているなら低い利益率も許容され、逆に成長が鈍いなら高い収益性が求められる、という足し算の発想です。近年は営業利益率ではなくFCF(フリーキャッシュフロー)マージンで見る運用や、成長率に重みを付けた「Rule of X」のほうがマルチプルとの相関が強いというデータも出てきており、市場全体としては、無制限の成長(growth at all costs)から、効率を伴った成長(efficient growth)への回帰が見られると指摘されています。米国では成長率との相関が強く、日本では利益率・FCFマージンとの相関が強いという違いも観察されています。
このほか、NRR(売上継続率)、解約率(チャーン)、LTV/CAC(顧客生涯価値と顧客獲得コストの比率、3倍以上が健全の目安)、粗利率といったユニットエコノミクスの指標も、マルチプルの前提として投資家に見られます。実務の現場では、売上成長率がおおむね30〜40%を下回るとPSRでは評価しづらくなり、PER(利益水準)で見られるようになる、という分水嶺の感覚も語られています。
3. PSR10倍が当たり前だった時代とその後
「PSR5倍」がどれだけ厳しい数字なのかは、数年前の相場と並べると分かりやすくなります。
3-1. バブル期から調整へ
2020〜2021年は、世界的な低金利とコロナ禍のデジタルシフト需要が重なった、いわゆるSaaSバブルの時期でした。赤字であっても将来の売上成長率が高ければ高い評価が得られる市場環境で、売上マルチプルは大きく膨らみました。2021年前半時点の集計では、国内外のSaaS企業のPSR平均は23.6倍、中央値は20.4倍に達していたとされます。海外ではSnowflakeが111倍、国内でもfreeeが60倍を超える水準を付けていました。2021年11月時点の国内主要SaaSの比較でも、売上成長率20%超の企業はEV/Revenueで10倍を超えていたとされています。PSR20倍超が「割高」の目安であるにもかかわらず、平均がそれを超えていたのがこの時期です。
潮目は金利上昇とともに変わりました。投資家の物差しが「将来の期待」から「足元の確実な利益」へとシビアに移り、freee、Sansan、サイボウズといった国内SaaS大手の株価は2021年の最高値から半値以下の水準まで落ち込みました。国内SaaS企業の売上マルチプルの平均は、一時4倍台まで低下したとされています。
3-2. 直近(2024〜2026年)の水準
2024年以降、国内上場SaaS企業のPSRは4〜6倍のレンジで推移しています。ファーストライト・キャピタルの集計では、上場SaaS企業28社の平均PSRは2025年2月時点で4.4倍でした。産業革新投資機構(JIC)が代表的な上場SaaS34銘柄で追っている実績PSRの平均値も、2022年の調整以降はおおむね横ばいで推移しているとされています。バブル期に平均20倍を超えていた水準から見れば、4〜6倍のレンジ、その中心にある5倍前後が現在の標準的な物差しになったといえます。
もっとも、この水準は一般的な株式投資の指標に照らして極端に割安というわけではありません。ラクスやeWeLL、トヨクモのように早期から黒字化を重視してきた企業は着実に利益を計上しており、赤字前提のPSRだけでなくPER(株価収益率)でも評価できる状態にあります。市場全体の水準を示す日経平均のPERが2026年7月上旬時点で加重平均ベースで約18.6倍であるのに対し、eWeLLは同時期の予想PERで20倍超(実績ベースでは27倍前後)と、黒字SaaSのプレミアムを保っています。もっとも一律の高倍率評価ではなく、トヨクモは利益(EPS)の伸びを反映して足元の予想PERが15倍台まで低下し、市場平均に近づいています。ラクスは2027年3月期に子会社の全株式譲渡による一過性の利益を計上する見込みで、その分だけ予想純利益が膨らむため予想PERが14倍台と低めに算出されていますが、これは特殊要因によるもので、正常化した利益ベースでは20倍台の水準です。バブル期のような一律の高倍率プレミアムは薄れ、黒字化と利益成長を伴う銘柄が個別に選別される局面に入っているといえます。売上マルチプルの低下は「暴落」というより、行き過ぎた先取りが剥落した正常化と捉えるのが実態に近いといえます。
参考: 日経平均プロフィル「ヒストリカルデータ(PER)」(2026年7月上旬時点の日経平均PERは加重平均ベースで約18.6倍)/各社予想PERはIRBANK・各社決算短信(2026年5〜7月時点) https://indexes.nikkei.co.jp/nkave/archives/data?list=per
新規上場の現場にも影響が及んでいます。2024年の国内SaaS企業のIPOは8件と前年までを上回りましたが、最大規模でも、KDDI傘下からのスイングバイIPOで注目されたソラコムの公募価格ベース時価総額376億円で、小型案件が中心でした。2025年上半期には、東証グロース市場に上場したスタートアップの数が前年同期の21件から12件へ大きく減少したとされ、グロース市場の上場維持基準見直し論議などが影響したと見られています。あわせて、上場直前期に経常赤字だった企業の比率が低下しており、案件の選別が進んだ結果と分析されています。
参考: 株式会社産業革新投資機構(JIC)「スタートアップ・ファイナンス市場レビュー(2025年上半期)」(2025年9月) https://www.j-ic.co.jp/jp/research/
4. 「PSR5倍」を前提にすると何が変わるか
売上マルチプルが4〜6倍に収れんしたことは、IPOを目指す企業にとって、必要なARR規模と上場のハードルを一段引き上げます。
背景には、上場後の株価の現実もあります。東証がまとめた資料によれば、グロース市場では、新規上場時からの時価総額成長率の中央値は1.03倍(2023年末時点)にとどまり、約49%の企業は時価総額が上場時を下回っているとされています。上場がゴールではなく、上場後に価値を伸ばせる企業が限られているという事実が、公開市場の投資家をより慎重にさせています。
加えて、東証グロース市場では、2030年以降「上場から5年を経過した企業は時価総額100億円以上」という新たな上場維持基準が段階的に適用されることになっており(現行は上場10年経過後に40億円以上)、機関投資家の投資対象となり株式の流動性を確保する観点からは、実質的に200〜300億円規模が求められるのではないかという見方も示されています。仮にPSR4〜6倍で逆算すると、この水準の時価総額を維持するにはARR50〜70億円程度が必要になり、従来のIPO企業でこの水準に達しているのは1〜2割程度にすぎないとの指摘があります。従来型の成長モデルのまま上場することが難しくなってきているというのが、足元の実務家の共通認識に近いといえます。
参考: THE BRIDGE「SaaS業界分析レポート最新版公開──ARRランキングトップは?鮮明になる二極化【ファーストライト・キャピタル調査】」(2025年) https://thebridge.jp/2025/05/latest-saas-industry-analysis-report-released-leading-companies-continue-to-grow-as-market-polarization-becomes-clearer-firstlight-capital-survey
この「時価総額=売上(ARR)×PSR」という逆算のフレームを、SmartHRに当てはめると、今回の延期の構図が見えてきます。
ARR300億円に、PSR5倍前後という現在の目線を掛け合わせると、時価総額はおよそ1,500億円前後になります。実際、市場関係者からも、公開市場で1,500億円程度が付くのではないかという見方が示されています。目標の1,600億円は、この目線をやや上回るうえ、前回ラウンドの約1,800億円をすでに下回る水準でもありました。黒字化を果たし、高い成長率を維持している優良企業であっても、未上場時代のバブル期に付いた評価額を公開市場で維持するのは難しい局面だ、ということです。今回の判断は、業績の問題ではなく、評価額と市況のトレードオフの結果と理解するのが自然です。
もう一つ、投資家が慎重になっている固有の要因が、AIの急速な進展です。従来のSaaSはアカウント(ID)数×月額で稼ぐシート課金モデルが基本でしたが、AIが業務を自動化すれば必要な人間のID数が減り、この課金モデルが頭打ちになるのではないか、あるいはAIを使えば競合が安価に類似ソフトを開発できるのではないか、という懸念が世界的に強まっているとされます。2025年には「SaaS is dead」という言説も飛び交いました。もっとも、SmartHRの芹澤CEOは、顧客との対話の中でSaaSはもういらないという話はほぼ出ていないと述べ、実ビジネスへの影響は限定的だとしています。AIをコア機能として組み込んだSaaSや、利用量に連動する従量課金型のモデルに対しては、投資家の評価が再び高まっているという見方もあり、SaaSそのものの否定というより、AI時代に対応した成長ストーリーを示せるかどうかで評価が二極化していくと考えられます。
5. IPO準備企業への示唆
今回のケースから、IPO準備企業がバリュエーション設計で押さえておくべき論点を整理します。
第一に、バリュエーションは直近の未上場ラウンドの評価額ではなく、上場時点の公開市場の物差しから逆算することです。未上場のレイターラウンドで付いた評価額と、公開市場のマルチプルとの間には断層があります。想定時価総額は「ARR(またはNTM売上)×現在のPSR水準」で試算し、必要であればダウンラウンドIPOも現実的な選択肢として検討する姿勢が要ります。
第二に、Rule of 40(成長率+利益率、あるいはFCFマージン)を満たす道筋を、上場前から数字で示せるようにしておくことです。成長率一辺倒ではなく、効率を伴った成長を、NRR・チャーン・LTV/CACといったユニットエコノミクスの指標とあわせて一次情報として整備しておくと、投資家との対話の土台になります。売上成長率が30〜40%を下回ると利益水準で評価される局面に入るため、成長率の維持と黒字化の道筋の両方を説明できる状態が望ましいといえます。
第三に、「できるときに上場するか、市況の回復を待つか」の判断です。ファンドの満期、既存株主の意向、資金需要と、市況・評価額のトレードオフを天秤にかけることになります。厳しい市況で割安に上場したほうが、市況回復と連動して中長期の企業価値が伸びた事例もあるとの見方がある一方、無理に評価を下げず市況の反転を待つ判断もあり得ます。SmartHRのように業績が好調で資金調達に切迫性がない企業ほど、後者を選ぶ余地が生まれます。ここに唯一の正解はなく、個社の資本政策と資金繰りの状況で決まります。
第四に、上場維持基準と流動性設計を資本政策の早い段階から織り込むことです。グロース市場の時価総額基準を満たし続けられるARR規模を見据え、IPO時のオファリング比率や浮動株比率、そこから逆算されるミドル・レイトステージの投資家構成を、上場のかなり手前から設計しておく必要があります。
「PSR5倍時代」のIPOは、未上場評価額を公開市場に追認してもらう場ではなく、公開市場の基準に自社の数字を合わせにいく作業になります。SmartHRの延期は、その現実を国内のトップ企業の事例として示したものといえます。
参考文献・一次資料一覧
政府・公的機関
- 株式会社産業革新投資機構(JIC)「スタートアップ・ファイナンス市場レビュー(2025年上半期)」(2025年9月) https://www.j-ic.co.jp/jp/research/
- 東京証券取引所「グロース市場における上場維持基準の見直し等について(フォローアップ資料)」(2025年4月) https://www.jpx.co.jp/equities/follow-up/
報道
- Bloomberg「スマートHRが年内の東証上場見送りへ、時価総額評価に隔たり-関係者」(2026年7月8日) https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-07-08/THQEZ4T96OSI00
- Bloomberg「スマートHRが年内の東証上場へ準備、時価1600億円目指すー関係者」(2026年4月3日) https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-04-03/TCWNWGT96OSG00
- クラウド Watch「SmartHRがARR300億円に到達、2026年度は2種類のAIエージェントと人事データ×AIを推進」(2026年7月8日) https://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/2123332.html
- SmartHR「約214億円のシリーズEラウンドを実施」(2024年7月1日) https://smarthr.co.jp/news/press/27110/
調査・解説
- ファーストライト・キャピタル「SaaS Annual Report 2024-2025」(2025年) https://firstlight-cap.com/
- THE BRIDGE「SaaS業界分析レポート最新版公開──ARRランキングトップは?鮮明になる二極化【ファーストライト・キャピタル調査】」(2025年) https://thebridge.jp/2025/05/latest-saas-industry-analysis-report-released-leading-companies-continue-to-grow-as-market-polarization-becomes-clearer-firstlight-capital-survey
- DNX Ventures「上場SaaS企業のバリュエーショントレンド(2021.11版)」 https://note.com/dnx_vc/n/na7607e99b1af
- Signifiant Style「【スタートアップ用語考】SaaS企業の成長を先取りする『PSR』」 https://signifiant.jp/articles/saas-psr/
- All Star SaaS Fund「SaaS経営者のための逆算のファイナンス戦略(テックタッチCFO 中出昌哉)」 https://blog.allstarsaas.com/posts/finance-strategy-for-founders
本記事は、IPO準備に携わる実務家・上場準備企業向けに、SmartHRの上場延期報道を起点としてSaaS企業のバリュエーション水準とIPO時の評価の考え方を整理したものです。記載内容は公表資料・報道・各社の調査レポート等に基づいており、個社の評価額・マルチプル・財務数値については各一次資料および最新の開示をご確認ください。本記事は特定の投資判断や資本政策を推奨するものではありません。
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